オンラインでの小売り販売が年々増え続ける中、その勢いが衰える様子はみじんもなく、購入品の素早い配達を求める顧客はますます増えています。そのため企業では、様々な職種の空きを埋めるため、物流従事者や、サプライチェーンの学位を持つ優れた人材を求めています。

流通管理者は、効率的な組織運営、在庫管理、商品や購入物の流通が確実に行われるよう業務を行うため、小売業界の成功において常に中心的役割を果たしています。けれども、オンラインオペレーションのコンスタントなテクノロジーの発達や、オンライン小売業の成長に伴い、流通管理者の仕事はこれまでになく重要でスキルが求められるようになりました。

「サプライチェーンはどの小売機関にも備わっているため、様々な雇用の口があるのです。」

物流管理・サプライチェーン管理を選ぶ理由

「物流管理とサプライチェーン管理の重要性は大きくなっています」と、キングストン大学ビジネススクールのMScロジスティクス・サプライチェーン管理課程のコースディレクター、ホワン・キ・スン博士は話します。「どの産業でも物品の調達、保管、発送は必要不可欠です。全ての業務の効率的かつ効果的な管理は今のビジネス世界では極めて重要です」と博士。
「物流に関する包括的かつ総合的知識を持つ人材は、この雇用市場では有力候補です。」この分野の学位を持つ人材とってこの雇用チャンスは極めて魅力的でしょう。サプライチェーンはどの小売機関にも備わっているため、様々な雇用の口があるのです。

「小売部門では、完璧な注文配送、顧客対応、費用効果は、競争に耐えるための重要最優先事項です」と、ランカスター大学マネージメントスクールMScロジスティクス、サプライチェーン管理課程のプログラムディレクター、コスタス・セルビアリディス博士は述べています。「物流・サプライチェーン管理が、顧客の要望にタイムリーで費用効果の高い形で答えるために必須の能力分野であることに驚きはないでしょう」と同博士。

彼によると、「商品やサービスを適切な時間、コスト、数量、質の高さで届けることは、物流・サプライチェーン管理の核心的目標です」とのことです。

必要な資格とは?

物流・配送またはサプライチェーン管理の仕事は全ての大卒者にその門を広げています。ただし、物流・輸送またはサプライチェーン管理の学位を持つ大卒者を求める雇用主は徐々に増えています。
物流に長けた大卒者の増加が望まれる中、この需要に応えるための大学院も多く見られます。第一学位が物流とは無関係であろうと、あるいはこの分野の資格についての知識を深めたいだけであろうと、物流、またはサプライチェーンに関する資格は、この分野での仕事を求める際に有利に働く可能性があります。

「修士学位では、物流・サプライチェーン管理での仕事で成功し、報酬を得るために必要な知識とスキルを高めるための戦略を学ぶことができます」と、セルビアリディス博士は話しています。また「もっと言えば、物理・サプライチェーン管理の博士学位では、そういったキャリアが高められ、昇進が確保されます」とも述べています。
このような教育は、ランカスター大学のMScロジスティクス・サプライチェーン管理プログラムで受けることができます。この1年間のフルタイム課程は、チャータード・インスティチュート・オブ・ロジスティクス・アンド・トランスポート(CILT)が認定を行っており、イギリスでは少なくとも2等級優等学位の上部アッパーセカンドか同等の資格を有する場合に入学が許されます。

「このプログラムは2段階で構成されています」と、セルビアリディス博士。「第1フェーズ(10月から4月)は必修科目と、理解と知識を高めるための選択科目を受講します。統計学や、分析学、スプレッドシートモデリング、問題解決術、コンサルタント業務などの主要な数量的能力を高める科目が入っています。」

「第2フェーズ(5月から9月)は、論文プロジェクトが組み込まれ、学生たちはコンサルタントとして実際の業務を行います。このコースを受けることで学生たちは、物流業界で成功するために必要なスキルを磨くのです」との説明でした。

卒業生は、Littlewoods(リトルウッズ)や、Sainsbury’s(セインズベリーズ)、Tesco(テスコ)、Unipart(ユニパート)のような小売業者で働いています。
Graduates have gone on to work with retailers such as Littlewoods, Sainsbury’s, Tesco and Unipart.

キングストン大学ロンドン校のロジスティクス・サプライチェーンMScでは1年かけてフルタイム課程を履修します(就職斡旋コースを選択した場合は2年)。この課程ではチャータード・インスティテュート・オブ・プロキュアメント・アンド・サプライ(CIPS)からの完全単位認定が行われます。履修には2等級優等学位(通常は上部アッパーセカンド)か同等の資格が必要です。
ホワン博士によると、「1学期は、ビジネスマネジメント、ロジスティクスマネジメント、ロジスティクスオペレーション、サプライチェーンマネジメント、戦略オペレーション、アウトソーシングの基礎についてのモジュール科目を学びます。また、第2段階では論文モジュールを介して、個人での研究を行います」とのこと。

こういった修士学位は、広い範囲の機関で取得することができます。物流・サプライチェーンマネジメントの博士課程については調べて見ると良いでしょう。
他の大学でも物流について学ぶことができますし、サプライチェーンの見習い制度などもあります。また、物流オペレーションの見習い制度は、中級・上級レベルが応募可能で、物流運用管理者、リーダー、監督者としてのキャリアアップにつながるでしょう。

サプライチェーン管理計画は、上級かそれ以上のレベルの能力がある場合に学ぶことが可能で、サプライチェーン管理、サプライチェーンコントロール、国際調達管理の仕事につながるでしょう。
見習い制度への応募方法はよく調べておくことをお勧めします。

求められるスキルとは?

知的好奇心やデータのパターンや流れを理解したいという思考の持ち主は、雇用の可能性が特に高いでしょう。シミュレーション、モデリング、予測、問題解決・交渉力は極めて有用です。また、プレッシャーのかかる状況でも自分で考えることのできる能力も同様です。新たな状況にも騒ぎ立てることなく、思慮深く対応できることも重要でしょう。

採用されるには、どんどん複雑化していくサプライチェーンの技術面について理解していることが求められます。また、それについて、技術担当ではない同僚や顧客などとも、分かりやすく簡潔にコミュニケーションがとれなくてはなりません。インターネット時代に育った大卒者たちなら、インターネットショッピングの動的状態を理解し、オンライン小売業の成長に貢献できるでしょう。

さらに、言語能力も世界規模のネットワークで働く際は有利でしょう。ソフトスキルが求められるという考え方から、雇用主がどのようなスキルを求めているかが見えてくるはずです。

物流・サプライチェーン管理での仕事に狙いを定めているなら、CPD(技術者継続教育)にしっかりと取り組んでいなければなりません。物流業界では、生涯学習の重要性がどんどん増しています。研修や会合、交流会に参加することで、生涯を通して知識や技術を高めることが求められるのです。

CIPSやCILTのような専門職団体のメンバーであることは有利ですし、この職業に対する前向きな姿勢を示すことができます。また、数多くの職業資格や訓練コースにも挑戦できるため、CPDへの取り組みに役立ちます。

卒業後は、様々な物流の仕事、サプライチェーンの仕事の口が数多くあるでしょう。戦術的・戦略的どちらの要員の口もありますし、専門に入る前に職業の概要を学んでから、より上の地位へと昇進するという形を取る場合も増えています。
雇用主には第三者物流企業や、顧客(小売業者やスーパーなど)、物流コンサルティング会社と直接営業取引を行っている組織が含まれます。物流・サプライチェーン管理の仕事には、物流・流通管理者、購買管理者あるいは倉庫管理者も含まれます。

セルビアリディス博士によると、卒業生は以下のような仕事に就くことも可能です:
・サプライチェーンデザインおよびプランニング
・調達およびサプライ管理
・貨物輸送
・倉庫デザインおよび管理
・流通ネットワークデザインおよびプランニング
・在庫管理および調整

雇用主に認めてもらうには、物流・サプライチェーンでの経験を示す必要があります。前職がそうであったとか、小売業界でパートをしていたとか、就職斡旋コースを受講していた、インターン制度や職業体験で働いたことがあるなどです。企業のビジネスについての意識や知識を強く示すこともまた有効でしょう。熱意と細かな気配りも就職戦線で一歩前に立つ上で重要となります。